市況動向

銅事情 10月号

2026年10月06日 資材委員会提供

<9月の国内事情>

 日銀が10月1日に公表した2026年9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回6月調査から2ポイント改善のプラス24。これにより6期連続の改善となった。16業種の内9業種が改善という結果で、先行き不透明な米国とイランの対立長期化に伴う原油価格の高止まりなどが下押し要因となっているが、コスト上昇分に対する価格転嫁が進展していること、AI関連需要とそれを支えるデータセンターなどへの活発な投資、堅調な半導体関連の需要などが改善の要因となっている。また、為替相場が想定より円安に振れたことも下支えになった。大企業・非製造業の業況判断指数(DI)は前回調査から2ポイント悪化しプラス35。こちらは5期ぶりの悪化となった。原材料や人件費の高止まり、地震や豪雨といった悪天候の影響などが、小売、宿泊・飲食サービスや対事業所サービスなどの幅広い業種の収益を圧迫、設備価格や金利の上昇は物品賃貸などを下押しした。一方で、先行き3ヶ月の景況感は、大企業・製造業がマイナス3ポイント、大企業・非製造業がマイナス5ポイントといずれも悪化を見込んでおり、慎重な見方になっている。米国とイランの対立は長期化しているものの、一時期に比べると原材料の供給制約に対する懸念は後退しているようにみえるものの、原油価格の高止まりや供給制約が再燃するリスクを警戒、海外経済の先行きの不透明感が引き続き意識されている様子。9月18日の日銀の金融政策決定会合で、政策金利が6月に続いて1.25%への引き上げが決定した。今回の調査の回答期間は8月26日~9月30日であり、9月9日までに約7割が回答を済ませていた。そのため、一部で予測されてはいたものの、今回の結果に金利引き上げの影響はほぼ織り込まれていないと思われる。
 足元の価格の動きを示す販売価格判断DIは大企業・製造業が前回比横ばいのプラス40(先行きもプラス40)、非製造業が前回比マイナス2のプラス38(先行きプラス40)、一方の仕入価格判断DIは大企業・製造業で前回比マイナス3のプラス59(先行きプラス55)、非製造業で前回比マイナス2のプラス54(先行きもプラス54)で、引き続き仕入価格の上昇を価格転嫁されている動きが表れている。企業の物価見通しの物価全般の見通しでは、全規模・全産業で1年後2.6%(変化幅-0.1%)、3年後2.6%(変化幅0.0%)、5年後2.5%(変化幅-0.1%)だった。
 企業の事業計画の前提となる2026年度の想定為替レート(全規模・全産業)は、1ドル=154.23円。前回6月調査の152円57銭から円安方向へ修正。輸出企業の収益改善につながっていく可能性がある。
 雇用人員判断DIは全規模・全産業がマイナス38で前回から1ポイント下落。先行きもマイナス41で引き続き人手不足という見方となっている。

<銅事情>

 9月の銅価格は、月初14,396ドルからスタートした。上旬は米国の銅関税導入観測を背景とした米国向け銅流入の継続や、LME・SHFE在庫の低水準による需給逼迫懸念を背景に上昇基調で推移し、8日には過去最高値を更新した。
 その後、米国が精錬銅への関税導入判断を見送る可能性が報じられると、関税発動を前提に積み上がっていた投機筋のロングポジション解消売りが加速し、銅価格は急落。
 月末にかけては、中国製造業PMIの改善や国内在庫減少を背景に底堅く推移した一方、米長期金利上昇やドル高、国慶節連休前の様子見姿勢が上値を抑えた。9月末のLME銅価格は14,487ドルとなり、月中に史上最高値を更新したものの、月末終値は前月末比で48ドル安となった。
 9月のLME銅在庫量は、8月末の234,275トンから増加基調で推移、最終的に前月末比で15,125トンの増となった。9月末のLME銅在庫量は249,400トンで、前月末対比プラス6.5%となった。
 9月の国内銅建値は、8月末プラス2万円の240万円/トンでスタートし、3日にマイナス3万円の237万円/トン、7日にマイナス2万円の235万円/トン、10日にプラス2万円の237万円/トン、11日にマイナス9万円の228万円/トン、15日マイナス4万円の224万円/トン、17日にプラス7万円の231万円/トンとなり、24日にプラス11万円の242万円/トンとなり、9月平均の銅建値は、235万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2026年 4月:214.2万円/t 5月:224.4万円/t 6月:227.4万円/t 7月:229.7万円/t 8月:235.9万円/t 9月:235.4万円/t
 2026年10月の国内銅建値は、9月末よりマイナス5万円の237万円/トンでスタート。



過去の銅事情