銅事情 1月号
2018年1月11日 資材委員会提供
<12月の国内事情>
日銀が発表した12月短観の業況判断DIは、製造業と非製造業、大企業と中小企業で業況感はまちまちの結果となっているが、全規模全産業ではプラス16%となり、9月調査と比較して1%上昇した。特に、大企業製造業の業況判断DIは9月調査22%から25%と5四半期連続での改善となり、2006年12月以来の高い水準となった。海外経済の回復が続く中で、輸出と生産の増加傾向が続いていることや為替レートが円安方向に振れたことがプラスに作用したものと思われる。一方、雇用人員判断DIは全規模全産業でマイナス31%となっており、9月調査と比較して3%低下している。製造業、非製造業のいずれも低下しており、企業の人手不足感は強まっている。先行きについても全規模全産業でマイナス33%と更に低下しており、労働需給は一層タイト化するものと予測されている。
12月の為替相場は、米上院で税制改革法案が可決され、年内実現に向けた期待感が出たほか、ニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が連日上昇、過去最高値を更新し、投資家のリスク選好環境が改善した。また、米長期金利も上昇し、日米金利差の拡大を見越した円売り、ドル買いが先行した中で、12月のドル円レートのレンジは113円台~114円台と小幅なレンジで収まった。
12月の日経平均株価は、10月末からの高値圏を維持しながら22,000円台後半で推移し、2017年大納会の終値は22,765円だった。
<銅事情>
12月のLME注1銅相場は中国での需要後退が圧迫要因となり、上値の重い展開が続く中、一時は6,500ドル台まで下落したが、中国での新車販売台数や鉱工業生産など11月統計が発表されると、中国の景気失速懸念が緩和され、需要拡大への期待感からLME銅相場は連日続伸し、年末には一気に7,000ドルを突破した。LME銅在庫量は12月初めに18万トン台の水準だったが、11月のような大幅な増減はなく、月末在庫量は約2万トン増加して20.2万トンとなった。
12月の国内銅建値は、マイナス1万円の80万円/トンでスタートし、6日にマイナス2万円の78万円/トン、12日にプラス1万円の79万円/トン、15日にプラス1万円の80万円/トン、19日にプラス2万円の82万円/トン、21日にプラス2万円の84万円/トン、26日にプラス1万円の85万円/トンとなり、年末に向けて大きく上昇した。12月の平均建値は81.0万円/トンだった。
直近6か月の平均建値は、(2017年 7月:71.3万/トン 8月:75.0万/トン 9月:77.3万/トン 10月:81.2万/トン 11月:81.3/トン 12月:81.0/トン)となり、2018年1月の国内銅建値は据え置きの85万円/トンでスタートした。
注1 LME:(ロンドン金属取引所 130年以上の歴史を持つ世界第一の非鉄金属市場)