銅事情 7月号
2022年07月 資材委員会提供
<6月の国内事情>
日銀が四半期毎に発表している最新の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回の調査から5ポイント悪化しプラス9。ウクライナ侵攻後初の短観となった前回で7四半期ぶりに悪化に転じ、中国のロックダウンによる供給制約の強まりと原材料コストの高止まりが景況感を押し下げ、今回で2四半期連続の悪化となった。悪化が目立ったのは自動車や生産用機械で、自動車がマイナス19で4ポイント、生産用機械がプラス34で9ポイントの悪化であった。供給制約の影響については一時的との見方が多く、先行きの業況判断DIはプラス10と、足元から小幅な改善を想定している。エネルギーを中心とした資源高、円安による原材料コストの増加が、企業収益を下押しするが、価格転嫁の動きも広がっており、大企業製造業の販売価格判断DIはプラス34と、1980年5月以来の高水準。企業の消費者物価見通しも上振れてきており、1年後の見通し平均は前年比2.0%上昇(全規模全産業は2.4%上昇)で、調査を始めた2014年以降で過去最高。2022年度の想定為替レートは全規模全産業で1ドル=118円96銭と、前回の111円93銭から修正されたものの、足元は1㌦=135円台であり大幅な円安水準にある。全規模全産業の22年度の経常利益の計画は前年度比3.6%減になる見通し。設備投資計画は14.1%増と前回の0.8%増から上方修正。尚、大企業非製造業の業況判断DIはプラス13と市場予想(プラス13)と同じ水準だった。3月下旬にまん延防止等重点措置が解除され、対個人サービスや宿泊・飲食サービスが改善。<銅事情>
6月の銅相場は、前月末対比1,200ドル超の大幅下落となった。LME休場明けの6日こそ、中国でのロックダウン解除や在庫の減少で、9,700ドル台に上昇したものの、以降は下落基調。主要中央銀行による利上げ加速に伴い、世界経済が景気後退に陥るとの懸念が広がったほか、最大消費国である中国の需要減少への不安が高まった。6月末のLME銅価格は8,245ドル、6月平均のLME銅価格は9,033ドルとなった。6月のLME銅在庫量は、前月末対比13.1%の減少。前月末同様14万トン台でスタートした後、LME休場と土日の4日間を挟んだ、明け6日に2万トン減少した。当月合計が1万9千トンの減少なので、この日の荷動きの影響が大きかった。6月末のLME銅在庫量は、126,850トンとなった。
6月の国内銅建値は、5月末からプラス2万円の127万円/トンでスタートし、7日にプラス7万円の134万円/トン、9日にプラス2万円の136万円/トン、13日にマイナス3万円の133万円/トン、15日にマイナス4万円の129万円/トン、17日にマイナス3万円の126万円/トン、22日にプラス1万円の127万円/トン、24日にマイナス9万円の118万円/トンとなり、6月平均の銅建値は、127.0万円/トンだった。
直近6か月の平均銅建値は、2022年 1月:117.9万円/t 2月:119.1万円/t 3月:126.4万円/t 4月:133.7万円/t 5月:125.1万円/t 6月:127.0万円/t。
2022年7月の国内銅建値は、6月末から1万円下げの117万円/トンでスタート。