市況動向

銅事情 11月号

2019年11月11日 資材委員会提供

<10月の国内事情>

 日銀は経済・物価情勢の展望レポートで、2019年度の実質GDPの成長率見通しを前年度比0.6%増とし、7月調査から▲0.1ポイント下方修正した。世界経済の持ち直しが想定よりも遅れていることに加え、台風15号、19号による甚大な被害が輸出や生産活動に悪影響を及ぼしており、先行きについても2020年度は前年度比0.7%増(7月調査から▲0.2ポイント)、2021年度は前年度比1.0%増(7月調査から▲0.1ポイント)と見通しを引き下げている。また、物価上昇率も2019年度は前年度比0.7%増(7月調査から▲0.3ポイント)、2020年度は前年度比1.1%増(7月調査から▲0.2ポイント)、2021年度は前年度比1.5%増(7月調査から▲0.1ポイント)と下方修正した。経済成長率の下振れや原油安などのマイナス要因が物価上昇率の見通しも引き下げている。
 一方、政府は10月の消費税率引き上げによる経済への影響を2014年増税時と比較して駆け込み需要による影響は小幅と想定しているが、9月の家計消費額は前年同月比9.5%増と2001年以降で最高の伸びとなっている。特に冷蔵庫、電子レンジといった家電製品は前年同月比200%以上の伸びとなっており、食品への軽減税率導入、キャッシュレス決済でのポイント還元、住宅・自動車の税制優遇などの消費増税対策の効果は今後の消費動向で成否が鮮明化すると思われる。


<銅事情>

 10月のLME銅相場は引き続き米中貿易摩擦の行方に左右される展開となり、前半は米国経済の減速懸念が世界経済の減速懸念に発展し、銅相場は5,600ドルを割る場面もあったが、中旬は米中貿易協議の進展、後退のニュースで銅相場も一進一退を続け、5,700ドル台での攻防となった。後半は中国の景気刺激策が好感される中、中国不動産投資の伸びや米中貿易協議の進展へ期待が高まり、月末には5,900ドルを伺う展開となったことで、10月平均のLME銅相場は5,738ドルで、9月平均のLME銅相場5,746ドルとほとんど変わらない水準となった。
 10月のLME銅在庫量は9月末の26万6,000トンから一時は3万トン近く増加したが、その後は減少傾向が続き、10月末のLME銅在庫量は27万トンとなり、前月末と同水準の在庫量となった。
 10月の国内銅建値は、1日に据え置きの66万円/トンでスタートし、4日にマイナス2万円の64万円/トン、10日にプラス1万円の65万円/トン、16日にプラス2万円の67万円/トン、24日にプラス1万円の68万円/トンとなり、10月の平均建値は66.3万円/トンだった。
 直近6か月の平均建値は、(2019年5月:70.9万円/t 6月:67.6万円/t 7月:68.8万円/t 8月:65.3万円/t 9月:65.8万円/t 10月:66.3万円/t)となり、2019年11月の国内銅建値はマイナス1万円の67万円/トンでスタートした。



過去の銅事情