市況動向

銅事情 2月号

2015年2月18日 資材委員会提供

<1月の国内事情>

 内閣府発表の「景気ウォッチャー調査」によると、1月の現状判断DIは、家計動向関連DIで下落するも企業動向関連DIと雇用関連DIでの指数アップにより前月比0.4ポイント上昇の45.6ポイントとなった。また、先行き判断DIも、燃料価格低下への期待や賃上げへの期待等から家計動向部門、企業動向部門及び雇用部門で上昇を受け、前月比3.3ポイント上昇の50.0ポイントとなった。以上のことから、「景気は、このところ回復に弱さがみられる。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、燃料価格低下への期待や賃上げへの期待等がみられる」とまとめられた。また日本電線工業会がとりまとめている銅電線出荷量推移によると、直近2014年11月速報値では全体で、内需、輸出を合わせ6万1,200トン(対前年同月比3.9%減少)となり、その中で大きなウエイトを占める建設電販部門は3万4,000トン(同0.3%減少)と3ケ月ぶりのマイナスとなった。しかし中期的には2020年東京オリンピック・パラリンピック開催や首都圏を中心とした再開発需要を背景に堅調さが予測され、日本電線工業会での「18年度の中期需要見通し」では、建設電販部門で35万3,000トンと13年実績比で、年平均0.8%の増加と予測されている。
 1月の為替相場は、ギリシア政局不安や月半ばでのスイス中銀による対ユーロでの上限撤廃の決定から、スイスフランの暴騰を招き、そのリスク回避により円買いが進み、月の中盤以降は118円台中盤から119円台中盤での推移を示した。

 

<銅事情>

 1月のLME注1銅相場は、前月の6,300〜6,500ドルレンジでもみ合っていた状況から、月初よりドル高やギリシア不安、更には5年9ケ月ぶりに45ドル/バレルを割り込む原油安を受けて、軟調推移を示し、1月前半には5年3ケ月ぶりに6,000ドルを割り込んだ。その後も銅相場はECB(欧州中央銀行)の金融緩和決定を受けてユーロ安からリスクオフによる弱材料が絡み、月末には5,500ドル台を割り込む局面も出てきた。LME在庫は、前月の17万トン台から増加一途傾向となり月末には7万7千トン増加の24万8千トンまで積み上げ、銅相場の反発を重く抑える要因となった。(20万トン超えは8ケ月ぶり)
 2015年1月の国内銅相場は、前月末の83万円/トンから5日にマイナス2万円の81万円/トンからスタート、8日にはマイナス2万円の79万円/トンへ、更に14日にはマイナス5万円の74万円/トンへ、19日にはマイナス1万円の73万円/トンへ、26日にもマイナス3万円の70万円/トンとした。2月からは、5日にプラス2万円の72万円/トン、13日にプラス1万円の73万円/トンとしている。
 2015年1月平均建値は74.6万円/トンで前月と比べ7万円/トンのマイナスとなった。直近6か月の平均建値(2014年: 8月:76.9万/トン 9月:78.2万/トン 10月:77.2万/トン 11月:82.8万/トン 12月:81.6万/トン 2015年: 1月:74.6万/トン)

  注1 LME:(ロンドン金属取引所 130年以上の歴史を持つ世界第一の非鉄金属市場)

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