市況動向

銅事情

2017年5月9日 資材委員会提供

<4月の国内事情>

 日銀は経済・物価情勢の展望リポートで、景気判断を1月の「緩やかな回復基調を続けている」から「緩やかな拡大に転じつつある」に引き上げ、2008年3月以来約9年ぶりに「拡大」という表現を用いて、景気情勢が一段上の水準になってきていると報告している。また、2018年度までの期間についても、設備投資、公共投資、個人消費、輸出の全ての分野が増加し、潜在成長率を上回るペースで経済が拡大していくと予測している。但し、2019年度以降は、設備投資の循環的な減速に加え、消費税率引き上げの影響で個人消費も減少し、成長ペースは鈍化するとしているが、海外経済の成長を背景とした輸出の増加が景気の下支えとなり、国内の全体的な景気の拡大傾向は続くと予測している。
 そうした中で、北朝鮮情勢は依然として緊迫状態が続いており、内閣官房国民保護ポータルサイトでも「弾道ミサイル落下時の行動について」とした文書が掲載され、サイトへのアクセスが集中した。月末にはミサイル発射の情報で地下鉄が停止するなどの混乱も起きており、今後も予断を許さない状況が続くと思われる。一方、EUではフランス大統領選で中道・独立系のマクロン候補が当選したことにより、EU分断の危機を回避したが、シリアでの米ロ対立など北朝鮮情勢以外にも国内経済へ影響を及ぼす要因は残っていると思われる。
 金融情勢は米国トランプ政権の保護主義政策での停滞感が残る中、日経平均株価は18,983円でスタートし、4月後半まで18,000円台を推移したが、4月終値は19,196円となり、4月平均では18,739円となった。対米ドル円レートは、110円台から一時108円台まで円高方向に推移した後、4月末には111円台となり、4月平均では110.16円となった。

<銅事情>

 4月に入り、LME注1銅相場は前月末の5,858ドルから徐々に下落し、一時は5,600ドルとなったが、月末に向けて少し上昇し、月末には5,688ドルとなった。4月のLME銅相場平均価格は5,705ドルとなり、3月のLME銅相場平均価格5,828ドルと比較すると、123ドル値下がりしている。
 LME在庫量は、前月末の30.4万トンから4月中旬には25万トン台まで減少したが、その後は大きな変化なく、4月末のLME在庫量は前月末に比べ4.4万トン減少の26.1万トンとなった。
 2017年4月の国内銅相場は、69万円/トンでスタート、11日にマイナス1万円の68万円/トン、13日にマイナス2万円の66万円/トン、19日にはマイナス1万円の65万円/トン、24日にはプラス1万円の66万円/トンとなり、少しずつ下落した。4月の平均建値は66.9万円/トンとなり、前月末と比較して3.4万円/トンの下げとなった。
 直近6か月の平均建値は、(2016年11月:62.9万/トン 12月:70.5万/トン 2017年1月:69.9万/トン 2月:71.2万/トン 3月:70.3万/トン 4月:66.9万/トン)となり、5月の国内銅相場はGWを挟んでの大幅な銅価変動はなく、4月末から1万円アップの67万円/トンでスタートした。

  注1 LME:(ロンドン金属取引所 130年以上の歴史を持つ世界第一の非鉄金属市場)

過去の銅事情