市況動向

銅事情 1月号

2015年1月19日 資材委員会提供

<12月の国内事情>

 謹賀新年、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
 内閣府発表の「景気ウォッチャー調査」によると、12月の現状判断DIは、家計・企業・雇用それぞれの項目で上昇し、前月比3.7ポイント上昇の45.2ポイントとなった。また、先行き判断DIも、物価上昇への懸念等がみられるものの、経済対策や燃料価格低下への期待等から、前月比2.7ポイント上昇の46.7ポイントとなった。以上のことから、「景気は、このところ回復に弱さがみられ先行きについては、物価上昇への懸念等が引き続きみられるものの、経済対策や燃料価格低下への期待等がみられる」とまとめられた。また日本電線工業会がとりまとめている銅電線出荷量推移によると、全体では、2014年8月に対前年同月比で出荷量を落としたものの、以降は前年を上回るペースを継続している。全体を牽引しているのは、主力需要部門である建設電販部門で上期では前年同期比3.2%増の16万2,942トンとなった。一方、建設電販部門以外では部門ごとにばらつきが見受けられる。
 12月の為替相場は、米経済指標の好調さから景気回復期待でドル買いの動きが前月に続き強く、また17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での「米国が利上げ方向に進む」との内容も更にドル買いを導き、相場は2007年7月下旬以来、約7年4か月ぶりに1ドル=120円台まで円安が進んだ。

 

<銅事情>

 12月のLME注1銅相場は、6,600〜6,800ドルレンジでの状況から、1週目には4年5ケ月ぶりとなる6,300ドル台の安値となり、最近の下値抵抗線であった6,434ドルを割りこむ局面となった。日欧中の景気懸念の一方、堅調な米経済からのドル高、また原油価格の連日による下落、ギリシアのデフォルト懸念からくる商品相場へのリスクオフムードが、銅価の上値を抑えることとなった。今後は6,434ドルを上値抵抗線としながら同ラインの奪回が焦点となる。LME在庫は、前月の16万トン台まで積み上げた在庫を17万トン台へと微増推移での低位安定状態を辿ることとなった。
 2014年12月の国内銅相場は、前月末の82万円/トンから1日にマイナス1万円の81万円/トンでスタート、4日にはプラス1万円の82万円/トンへ、更に9日にはプラス1万円の83万円/トンへ、12日には再びマイナス1万円の82万円/トンへ、17日にはマイナス4万円の78万円/トン、一転22日にはプラス5万円の83万円/トンとした。年明け1月からは、5日にマイナス2万円の81万円/トン、8日にマイナス2万円の79万円/トン、14日にマイナス5万円の74万円/トン、19日にはマイナス1万円の73万円/トンとしている。
 12月平均建値は81.6万円/トンで前月と比べ1万2千円/トンのマイナスとなった。直近6か月の平均建値(2014年: 7月:77.0万/トン 8月:76.9万/トン 9月:78.2万/トン 10月:77.2万/トン 11月:82.8万/トン 12月:81.6万/トン)

  注1 LME:(ロンドン金属取引所 130年以上の歴史を持つ世界第一の非鉄金属市場)

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