銅事情 6月号
2022年06月03日 資材委員会提供
<5月の国内事情>
内閣府が発表した2022年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期比より、0.2%減となり、2四半期ぶりのマイナス成長となり、年率換算値では、1.0%減となった。感染力の強いオミクロン型の新型コロナウィルスの拡大により、多くの地域において「まん延防止等重点措置」が適用されたことによる飲食店の営業などが制限され個人消費が伸び悩んだため。その最大の原因としては、GDPの半分以上を占める個人消費が、2四半期ぶりのマイナスとなり前期比 0.03%減と落ち込んだことによる。なお外食や宿泊などのサービス消費は、0.2%減となり、自動車などの耐久財も1.6%減、衣服などの半耐久財も、1.8%減となった。
一方で個人消費と並ぶ内需の柱である設備投資は、0.5%増と2四半期連続での伸びとなった。住宅投資は、1.1%減と3四半期連続でのマイナスが続いている。一方で外需は3四半期ぶりのマイナスとなった。自動車などを中心に輸出は1.1%増と伸びたものの、海外から購入するワクチンなどで輸入が3.4%増えた為GDP計算上では、輸出から輸入を差し引くため、全体への寄与度としては、0.4ポイントのマイナスとなる。生活実感に近い名目GDPは前期比0.1%増、年率換算では0.4%増となり2四半期連続のプラスとなった。
<銅事情>
5月の銅相場は、前月末比300ドル程度の下落となった。連休中は中国ロックダウンの継続やドル高により地合いは弱く、前月末から400ドル近い下落となった。連休明け後も米国の金融引き締めや、世界的な需要懸念から弱含みは継続し、9,000ドルレベルまで下落した。しかし中旬に、中国で新型コロナウィルスの規制緩和が発表されると、需要回復期待から後半は盛り返し、5月末のLME銅価格は9,501ドル、5月平均のLME銅価格は9,363ドルとなった。5月のLME銅在庫量は、前月末対比6.6%の減少。前月末同様15万トン台でスタートした後は増加傾向で、17日までに18万トン台となったが、18日以降は減少し続け、15万トンを割り込んで終わった。5月末のLME銅在庫量は、145,950トンとなった。
5月の国内銅建値は、4月末からマイナス4万円の128万円/トンでスタートし、11日にマイナス2万円の126万円/トン、13日にマイナス4万円の122万円/トン、17日にプラス3万円の125万円/トン、19日にマイナス2万円の123万円/トン、23日にプラス3万円の126万円/トン、26日にマイナス1万円の125万円/トンとなり、5月平均の銅建値は、125.1万円/トンだった。
直近6か月の平均銅建値は、2021年 12月:112.8万円/t 2022年 1月:117.9万円/t 2月:119.1万円/t 3月:126.4万円/t 4月:133.7万円/t 5月:125.1万円/t。
2022年6月の国内銅建値は、5月末から2万円上げの127万円/トンでスタート。