銅事情 9月号
2025年09月08日 資材委員会提供
<8月の国内事情>
内閣府が8月15日に発表した2025年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.3%増だった。これを年率換算すると1.0%の増になる。合わせて2025年1月~3月期の伸び率がマイナスからプラスに改定されたため、5四半期期連続のプラスとなった。GDPの過半を占める個人消費は前期比0.2%増だった。値上げされたアルコールや飲料品など低調で下押しした一方、夏物衣料などの衣服や、1-3月期の供給制約が落ち着いた自動車などがプラスに寄与。5四半期連続のプラスとなった。
もう一方の内需の柱である設備投資は前期比1.3%増で5四半期連続のプラス。省人化やデジタル化に向けたソフトウェア関連の投資が好調だったことが要因。住宅投資は0.8%増で2四半期連続のプラス。これらにより、実質GDPへの内需の寄与度は0.1%マイナスで2四半期ぶりのマイナス。
一方外需は輸出が2.0%増。電子部品・デバイスや自動車が牽引した。自動車の輸出はトランプ関税の影響が懸念されたが、対米輸出の金額ベースが5,6月に前年比11%の減少となったが、数量ベースでは1%台半ばの減少にとどまっており、1台当たりの単価が大幅に下落している。競争力維持のため、実質的にメーカがコストを負担していると見られる。これにより、実質ベースでは押し下げ要因にはならなかった。一方、GDPの押し下げ要因となる輸入は1―3月期から縮小。これにより外需寄与度がプラス0.3%で2四半期ぶりにプラスとなった。
国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比で3.0%上昇。1~3月期の3.3%から下落した。
1~3月期の収入の動きを示す雇用者報酬は、実質で前年同期比プラス0.6%。1~3月期のプラス1.0%から縮小している。
発表されたGDPの結果について、赤沢経済再生担当大臣は、記者会見で「景気が緩やかに回復していることが確認される結果となったと考えている。ただ、アメリカの通商政策による景気下振れリスクには留意が必要。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れを通じて、景気を下押しするリスクとなっている」と述べ、「賃上げを起点とする国民所得の向上と、経済全体の生産性向上を目指した政策を推進し、成長型経済への移行を確実なものにしたい。アメリカの関税処置の日本経済への影響を緩和するために万全を期したい」と述べました。
<銅事情>
8月の銅価格は、9,600ドル台を中心に、終値では数十ドル幅の変動で比較的安定して推移し、月末にかけて若干上昇した。序盤、トランプ政権による銅関税付与を見越して米国に輸入されていた銅が、LME指定倉庫に逆流し、在庫が高水準となっている事で需給ひっ迫感が後退し、9,500ドル台まで下げる場面もあったが、チリの銅公社コデルコの主要鉱山「エル・テニエンテ」で、地殻振動によるトンネル崩落が発生し6人が死亡、地下作業が全面停止となった事で、供給不安から、9,600ドル台に値を戻した。中旬は米利下げ観測をめぐり上下するも、9,600ドル台を中心に推移。その後、トランプ大統領による連邦準備理事会(FRB)のクック理事解任発表を受け、FRBの独立性に対する懸念から、ドルが主要通貨に対して下落したことにより、最終週で160ドル程度上昇した。8月末のLME銅価格は9,805ドル、8月平均のLME銅価格は9,646ドルとなった。8月のLME銅在庫量は、前月末の14万トン台から、初日に13万トン台に減少したもの、4日に14,000トン強増加し、15万トン台となった。その後は大きな増減は無く、最終週に4,000トン弱増加し、8月末のLME銅在庫量は158,875トンで、前月末対比プラス12.1%となった。
8月の国内銅建値は、7月末と変わらず、149万円/トンでスタートし、5日にマイナス2万円の147万円/トン、8日にマイナス1万円の146万円/トン、13日にプラス3万円の149万円/トン、19日にマイナス1万円の148万円/トン、26日にプラス1万円の149万円/トンとなり、8月平均の銅建値は、148.1万円/トンだった。
直近6か月の平均銅建値は、2025年 3月:149.6万円/t 4月:137.6万円/t 5月:143.4万円/t 6月:146.3万円/t 7月:148.8万円/t 8月:148.1万円/t
2025年9月の国内銅建値は、8月末からプラス1万円の、150万円/トンでスタート。