市況動向

銅事情 3月号

2015年3月11日 資材委員会提供

<2月の国内事情>

 内閣府発表の「景気ウォッチャー調査」によると、2月の現状判断DIは、家計動向関連・企業動向関連・雇用関連それぞれで上昇したことから前月比4.5ポイント上昇の50.1ポイントとなった。また、先行き判断DIも、物価上昇への懸念等がみられるものの、賃上げへの期待や燃料価格低下への期待等がみられ前月比3.2ポイント上昇の53.2ポイントとなった。以上のことから、「景気は、一部に弱さが残るものの、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、賃上げへの期待や燃料価格低下への期待等がみられる」とまとめられた。また日本電線工業会がとりまとめている銅電線出荷量推移によると、1月速報値で前年同月比4.4%減の5万9,200トンと、3ケ月連続のマイナスになったと発表した。その中で大きなウエイトを占める建設電販部門は太陽光発電関連需要や首都圏再開発などの需要は堅調な推移を示すも、消費税駆け込み需要のあった前年同月実績には及ばず、3ケ月連続のマイナスとなった。一方「EM電線・ケーブル出荷」統計によると、出荷量は前年比11.2%増の4万2,804トンと拡大基調となっている。また銅電線出荷量全体に対するエコ電線の比率は、2013年の5.5%から2014年は5.9%と上昇傾向である。
 2月の為替相場は、米の強い雇用統計からドルは主要通貨に対し全面高となり、月前半の118円台中盤以降、円安ドル高で推移し続け、月の終盤には120円台を示した。

 

<銅事情>

 2月のLME注1銅相場は、前月末の5,500ドルを割り込む局面から5,500ドル〜5,700ドルレンジでの自律反発が続いた。特にウクライナでの停戦が順守されなかった地政学的問題やギリシア債務交渉の不調、また原油安やドル高要因が5,700ドルの頭を押さえることとなる。一方、中盤には豪オリンピックダム鉱山での坑内崩落事故による操業停止問題や中国旧正月明けと共に市場参入者が戻ってきたこと、FRBイエレン議長が早期利上げに慎重な姿勢を示したことを材料にショートスクイーズによるLME銅の急反発で上値抵抗線であった5,700ドルを突き抜けて1ケ月半ぶりの高値を示すこととなった。LME在庫は、前月末の24万8千トン以降、更に増加し続け、月末には29万6千トンまで積み上がることとなった。
 2015年2月の国内銅相場は、前月末の70万円/トンからスタート、5日にプラス2万円の72万円/トンへ、更に13日にはプラス1万円の73万円/トンへ、25日にはプラス1万円の74万円/トンとした。3月からは、2日にプラス2万円の76万円/トン、5日にはマイナス1万円75万円/トン、再び10日にはプラス1万円の76万円/トンとしている。
 2015年2月平均建値は72.4万円/トンで前月と比べ2万2千円/トンのマイナスとなった。直近6か月の平均建値(2014年:9月:78.2万/トン 10月:77.2万/トン 11月:82.8万/トン 12月:81.6万/トン 2015年: 1月:74.6万/トン 2月:72.4万/トン)

  注1 LME:(ロンドン金属取引所 130年以上の歴史を持つ世界第一の非鉄金属市場)

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