銅事情 3月号
2020年03月06日 資材委員会提供
<2月の国内事情>
内閣府が発表した2019年10-12月期の国内総生産(GDP)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.6%減(年率換算6.3%減)となり、5四半期ぶりにマイナス成長に転じた。内外需別の寄与度は、内需が2.1%減と5四半期ぶりのマイナス寄与となった一方、外需は0.5%増と3四半期ぶりのプラス寄与となった。内需の柱である個人消費は前回増税時と比較すると、落ち込みは小幅(2014年4-6月期4.8%減に対して2019年10-12月期2.9%減)となっているが、もうひとつの柱である設備投資は前期比3.7%減とマイナス幅が前回増税時(前期比1.9%減)よりも大きくなっており、米中貿易戦争などで世界経済が減速した影響を受け、国内の企業活動も縮小していることが推測される。また、外需の寄与度は輸出の減少幅(0.1%減)より輸入の減少幅(2.6%減)が大きくなったことからプラス寄与となっているだけで、実態としては国内経済の停滞を反映していることが想定される。さらに、新型コロナウイルスの感染が世界規模となる中、国内での感染も急速に拡大していることから、インバウンドの減少、サプライチェーンの寸断など国内経済への悪影響は深刻化しており、1-3月期もマイナス成長となることが予測される。日経平均株価は第4週まで23,000円台を維持していたが、NYダウの1,000ドル超急落が続き、日経平均株価も2月最終週だけで2,000円超急落した。2月終値は21,142円となり、2019年9月以来、半年ぶりの安値となった。
<銅事情>
2月のLME銅相場は新型コロナウイルスの感染拡大から中国需要に対する懸念が拡大、1月下旬から11営業日続落して5,500ドル台でのスタートとなった。5カ月ぶりの安値圏突入だったが、過去2週間で急落した反動から買い戻しが数日続き、すぐに5,700ドル台に回復した。その後のLME銅相場は新型コロナウイルスの感染拡大による金属需要の減少懸念と中国政府の景気刺激策への期待感で一進一退を続けた。一時は16営業日ぶりに5,800ドル台に回復した場面もあったが、新型コロナウイルスの感染拡大は想像以上に早く全世界規模となり、リスク回避の姿勢から銅は売られ、2月末のLME銅相場は5,573ドルとなり、2月平均のLME銅相場は5,681ドルだった。2月のLME銅在庫量は減少傾向を辿り、16万トンまで減少したが、月末に約6万トン増加して、2月末のLME銅在庫量は21万8,000トンとなった。
2月の国内銅建値は3日にマイナス3万円の64万円/トンでスタートし、6日にプラス3万円の67万円/トン、18日にプラス1万円の68万円/トン、25日にマイナス1万円の67万円/トンとなり、2月平均の銅建値は66.7万円/トンだった。
直近6か月の平均銅建値は、(2019年 9月:65.8万円/t 10月:66.3万円/t 11月:68.1万円/t 12月:70.5万円/t 1月:70.6万円/t 2月:66.7万円/t)となり、2020年3月の国内銅建値はマイナス3万円の64万円/トンでスタートした。