市況動向

銅事情 2月号

2021年02月10日 資材委員会提供

<1月の国内事情>

 日銀は、1月に公表した「経済・物価情勢の展望レポート」において2020年度の国内総生産(GDP)成長率予想をマイナス5.6%とし、20年10月の前回公表値(マイナス5.5%)から0.1ポイント引き下げ下方修正とした。これは、新型コロナウィルスの感染再拡大により、対面型サービス消費を中心に下押し圧力の強い状態が続くとし、先行きの改善ペースも緩やかなものにとどまるとしている。
 一方、2021年度の成長率は、政府の経済対策(国土強靭化計画やコロナ禍を受けた医療体制の拡充などの公的支出の下支え)などの効果を織り込みプラス3.9%と20年10月公表値のプラス3.6%から上方修正とし、2022年度についてもプラス1.8%と前回10月公表値(プラス1.6%)からの上方修正の予想としている。
 また消費者物価指数(CPI)については、今年度はマイナス0.5%とし、前回見通しのマイナス0.6%から0.1ポイント上方修正、2021年度については、プラス0.5%を見込むとし、前回見通しのプラス0.4%から0.1ポイント上方修正とし、2022年度については前回見通しと変わらずプラス0.7%と予想している。

<銅事情>

 1月の銅相場は、8,000ドルを挟んで底堅く推移。前月末から180ドル程上昇し、終値7,900ドル台でスタートすると、米国株式市場の高値更新や米国の追加経済対策期待で、8日には8,100ドル台まで上昇。その後は、中国での新型コロナウイルス感染拡大などで下落する局面もあったが、バイデン氏が大統領就任前に、1兆9,000億ドル規模の新たな景気対策案を発表し、米国株式市場も好調を継続した事から、銅価も8,000ドルを挟んで底堅く推移した。22日以降は、終値で8,000ドル割れの推移となったが、LME在庫量は7万トン台と15年ぶりの低水準であり、下値は限定的だった。1月末のLME銅相場は7,877ドル、1月平均のLME銅相場は7,970ドルとなった。
 1月のLME銅在庫量は減少。13日までは減少ながらも10万トン台で推移したが、14日に10万トンを割り込み、以降は一貫して減少となり、1月末のLME銅在庫量は、7万4,000トンとなった。
 1月の国内銅建値は、12月末から1万円下げの84万円/トンでスタートし、6日にプラス3万円の87万円/トン、8日にプラス2万円の89万円/トン、14日にマイナス2万円の87万円/トンとなり、1月平均の銅建値は87.0万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2020年 8月:72.9万円/t 9月:75.0万円/t 10月:75.2万円/t 11月:77.6万円/t 12月:84.8万円/t 2021年 1月:87.0万円/t。
 2021年2月の国内銅建値は、1月末から1万円下げの86万円/トンでスタート。


過去の銅事情