市況動向

銅事情 9月号

2020年09月08日 資材委員会提供

<8月の国内事情>

 内閣府が発表した2020年4~6月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比年率でマイナス7.9%減とし、年率換算では、28.1%減となり、8月に公表した1次速報値(前期比7.8%減、年率換算27.8%減)から更に下方修正とした。マイナス成長は3四半期連続となる。4~6月期は、新型コロナウィルスの感染拡大を受け政府が緊急事態宣言を発するなど法人企業統計で設備投資が大幅に減少したことなどを反映した結果となっている。
 民間設備投資は、前期比4.7%減とし、1次速報値の1.5%減からもさらに下方修正されており企業業績の悪化や先行きの不透明感の高まりもあり、製造業・非製造業ともに投資の先送りの動きが広がった為としている。
 また、個人消費は、前期比7.9%減とし、1次速報値の8.2%減からは、娯楽関連消費の落ち込みがわずかに小さかったこともあり、上方修正された。
 日本経済は、4~6月期を底として、回復に向かっているとみられているものの、新型コロナウィルスの感染再拡大への懸念などから、その回復ペースは、緩やかにとどまる見通し。

<銅事情>

 8月の銅相場は、前月並みの6,400ドル台でスタート後、弱含みで推移したが、リオ・ティントが2020年生産量見込みを3万トン引下げた他、中国輸入量の好調、中国の新型コロナウィルスワクチン販売の報道等が強気材料として取り上げられ、18日には6,600ドル台に上昇。更に、月末にかけて、LME在庫が2005年以来の低水準まで減少したことに加え、為替もドル安となり、8月末のLME銅相場は6,728ドル、8月平均のLME銅相場は6,497ドルとなった。
 8月のLME銅在庫量は、月初の12万トンから減少の一途を辿り、8月末のLME銅在庫量は、8万8,000トンとなった。
 8月の国内銅建値は、7月末から1万円下げの72万円/トンでスタートし、6日にプラス1万円の73万円/トン、14日にマイナス2万円の71万円/トン、19日にプラス3万円の74万円/トン、24日にマイナス1万円の73万円/トン、27日にプラス1万円の74万円/トンとなり、8月平均の銅建値は72.9万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2020年 3月:60.6万円/t 4月:58.4万円/t 5月:60.5万円/t 6月:65.9万円/t 7月:72.1万円/t 8月:72.9万円/t。
 2020年9月の国内銅建値は、8月末から1万円上げの75万円/トンでスタート。


過去の銅事情