市況動向

銅事情 10月号

2025年10月08日 資材委員会提供

<9月の国内事情>

 日銀が10月1日に発表した2025年9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス14で、前回2025年6月調査のプラス13からの小幅に改善した。これは2期連続での改善で、2024年12月以来の高い水準になっている。米国との通商交渉を巡る不確実性が後退し、価格転嫁の進展などが業況の支えとなった。業種別では、繊維、はん用機械、生産用機械、自動車などから、米国の通商政策に関する不確実性が和らいだことによる受注の改善を指摘する声が聞こえ、はん用機械や造船・重機からは、価格転嫁の進展が業績改善要因として上がっていた。その中で自動車の業況判断は2ポイント改善しプラス10だった。一方、鉄鋼や紙・パルプの業況は、米国による関税引き上げの影響を織り込み、業況が悪化している。先行きはプラス12で2ポイントの悪化。幅広い業種で米国通商政策による不透明感を指摘されている。
 大企業・非製造業の業況判断指数(DI)はプラス34で、前回調査から横ばいだった。高水準を依然維持し続けているなかで、建設、物品賃貸、卸売が価格転嫁の進展を要因として改善している。一方で、宿泊・飲食サービスは19ポイント悪化してプラス26に落ち込んだ。この悪化幅は全業種中で最大。インバウンド需要の鈍化と物価高による消費者の節約志向が重しとなった。先行きは6ポイント悪化のプラス28で、幅広い業種からコストの上昇を指摘する声が上がっていた。
 足元の価格の動きを示す販売価格判断DIは大企業で製造業・非製造業ともに低下。コスト上昇分の価格転嫁に一服感が出ている。大企業・製造業がプラス24で1ポイント低下、大企業・非製造業がプラス28で6ポイントの低下だった。一方の仕入価格判断DIは大企業・製造業で1ポイント低下のプラス38、大企業・非製造業で4ポイント低下のプラス41だった。企業の物価見通しの物価全般の見通しでは、全規模・全産業では1年後、3年後、5年後のいずれもプラス2.4%だった。前回調査とほぼ変わらずの結果で、5年後のみ、2.3%を小幅に上回っている。
 企業の事業計画の前提となる想定為替レートは、2025年度通期1ドル=145.68円で、6月調査の145.72円とほぼ同水準。
 2025年度の全規模・全産業の設備投資計画は、前年度比+8.4%で前回から上方修正された。その内、大企業・全産業が前年度比+12.5%で前回の11.5%を上回っており、大企業においては製造業の上方修正の影響が大きかった。増産投資のほか、資本財価格の上昇が設備投資額を押し上げているとの声が出ているが、関税を巡る不確実性の後退と結び付けたコメントは聞かれていない。
 雇用人員判断DIは全規模・全産業がマイナス36で前回から1ポイント悪化した。特に先行きでは、すべての規模で製造業、非製造業ともに悪化しており、人手不足は引続き深刻である。

<銅事情>

 9月の銅価格は、前月末9,800ドル台から500ドル近く上昇し、1万ドルを突破。序盤は9,800ドル台を中心にそれほど大きな変動は無かったが、米政策金利の引き下げ期待を背景にしたリスク選好により、10日~16日にかけて、10,000ドルに上昇した。その後、FRBの金融政策決定を控え、リスクオフで9,800ドル台に値を戻したが、インドネシアのグラスベルグ鉱山での事故発生による供給逼迫感の高まりから、25日には10,300ドル台に上昇した。米政府機関の予算切れによる機能停止懸念で、ドルも軟調に推移し、月末まで終値10,000ドル台をキープした。9月末のLME銅価格は10,300ドル、9月平均のLME銅価格は9,953ドルとなった。
 9月のLME銅在庫量は、前月末の14万トン台から、初日に17,000トン増加し、15万トン台となったが、2日目以降は減少し続け、ほぼ同じ量減少した。9月末のLME銅在庫量は141,725トンで、前月末対比25トンの減少で、マイナス0.0%となった。
 9月の国内銅建値は、8月末からプラス1万円の150万円/トンでスタートし、3日にプラス3万円の153万円/トン、5日にマイナス2万円の151万円/トン、10日にマイナス1万円の150万円/トン、12日にプラス2万円の152万円/トン、18日にマイナス1万円の151万円/トン、25日にプラス7万円の158万円/トンとなり、9月平均の銅建値は、152.6万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2025年 4月:137.6万円/t 5月:143.4万円/t 6月:146.3万円/t 7月:148.8万円/t 8月:148.1万円/t 9月:152.6万円/t
 2025年10月の国内銅建値は、9月末からマイナス1万円の、157万円/トンでスタート。



過去の銅事情