市況動向

銅事情 11月号

2025年11月06日 資材委員会提供

<10月の国内事情>

 日銀は10月29日~30日に金融政策決定会合を開催し、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%で据え置くことを決定。これは6会合連続での据え置きです。公表された「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の内容も、前回7月公表の内容から大きな変更の無いものでした。
 経済の展望について、実質国内総生産(GDP)の政策委員見通しの中央値は、米国の関税措置の影響がまだ顕在化していないことから、25年度がプラス0.6%からプラス0.7%に小幅な上方修正がなされたものの、26年度のプラス0.7%と27年度のプラス1.0%は前回から据え置きとなっており、各国の通商政策等の影響を受けて海外経済が減速し、日本の企業収益なども下押しされるもとで、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは伸び悩むが、その後は海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、日本経済も成長率を高めていくとのシナリオを維持しています。経済の見通しを巡るリスクバランスについては、26年度で下振れリスクが大きいとしています。
 物価の展望について、消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)は、見通し期間である25年度プラス2.7%と、26年度のプラス1.8%、27年度のプラス2.0%は全て前回からの据え置きで、消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー、コアコアCPI)の見通しも、26年度がプラス1.9%からプラス2.0%に小幅な上方修正が行われたものの、25年度のプラス2.8%と27年度のプラス2.0%は据え置かれ、見通し期間後半(26年度後半以降)には2%に達するとの前回からの見通しを維持しています。これにはガソリン税の旧暫定税率の廃止の影響は織り込まれておりません。仮に廃止された場合には、コアCPIの前年比を0.2%程度押し下げると試算され、年度ごとの影響は、廃止のタイミングで変わり得るとしています。リスクバランスについても前回同様で、概ね上下にバランスしているとの表現が維持されました。
 金融政策運営については、「現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、以上のような経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との従来の方針を維持しました。植田総裁は会見後の記者会見で、「(経済や物価の)見通しが実現する確度は少しずつ高まっている」と評価し、追加利上げの可能性について言及しました。追加利上げの判断材料としては、米国経済の動向と来年の賃上げ動向を挙げ、米国経済の下方リスクはやや低下しているとし、予想以上の負のニュースが出てこないか確認したいとの考えを示し、賃上げ動向の初動のモメンタムがどういう感じになるかというところをもう少し情報を集めたいとも述べました。賃金モメンタムの維持が確認されれば、年内にも追加利上げに踏み切る可能性を示唆していると考えられます。

<銅事情>

 10月の銅価格は、前月末10,300ドルから600ドルほど上昇、終盤には一時3M価格で史上最高値となる11,200ドルを記録した。チリ/ロス・ペランブレス鉱山でストライキの可能性が報じられると、先月のインドネシア/グラスベルグ鉱山の事故と合わせて供給逼迫懸念が強まり、9日までに10,800強まで上昇。その後、米中関係に関する懸念からリスクオフとなり、16日までに10,500割れまで下落するも、中国の新たな5か年計画での景気刺激策期待、米中貿易摩擦緩和の兆しなどが供給懸念に加わり、29日には11,000ドルを上回った。米国の利下げに対する慎重姿勢、米中の軟調な経済指標などから、月末2日間は下落し、10月末のLME銅価格は10,901ドル、10月平均のLME銅価格は10,696ドルとなった。
 10月のLME銅在庫量は、前月末の14万トン強から小幅にじわじわと右肩下がりで、月間で8,125トン減少した。10月末のLME銅在庫量は133,600トンで、前月末対比マイナス5.7%となった。
 10月の国内銅建値は、9月末からマイナス1万円の157万円/トンでスタートし、6日にプラス8万円の165万円/トン、8日にプラス3万円の168万円/トン、14日にプラス5万円の173万円/トン、15日にマイナス6万円の167万円/トン、17日にマイナス3万円の164万円/トン、21日にプラス2万円の166万円/トン、24日にプラス4万円の170万円/トン、28日にプラス3万円の173万円/トンとなり、10月平均の銅建値は、166.8万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2025年 5月:143.4万円/t 6月:146.3万円/t 7月:148.8万円/t 8月:148.1万円/t 9月:152.6万円/t 10月:166.8万円/t
 2025年11月の国内銅建値は、10月末からマイナス1万円の、172万円/トンでスタート。



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