市況動向

銅事情 12月号

2025年12月04日 資材委員会提供

<11月の国内事情>

 内閣府が11月17日に発表した2025年7~9月期の国内総生産(GDP)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比で0.4%のマイナスで、これを年率換算すると1.8%のマイナスとなり、6四半期ぶりのマイナス成長に陥った。
 GDPの過半を占める個人消費は前期比0.1%プラスで前期の0.4%プラスから伸びは鈍ったものの、プラスを維持した。猛暑の影響でアルコール類を含む飲料が好調で、外食などの飲食サービスもプラスだったことがプラス維持に寄与した。他方で、秋物衣料の販売は振るわず、自動車も落ち込んでいる。もう一方の内需の柱である設備投資は前期比1.0%のプラスで、引き続き人手不足を背景とした省人化投資などの影響でソフトウェア関連の投資が伸びた。住宅投資は9.4%マイナスと大きく落ち込んだ。4月から住宅の省エネルギー基準が厳しくなり、マイナス要因は3月にかけての駆け込み需要の反動減と見られる。その他、政府消費は医療費の増加などもあり0.5%プラス、公共投資は0.1%プラスだった。実質GDPへの内需の寄与度は0.2%のマイナス。
 一方外需は輸出が1.2%マイナス。米国の一連の関税政策の影響もあり、自動車の輸出減が響いた他、知的財産権の使用量の受け取りも落ち込んだ。輸出に分類されるインバウンド消費も1.6%マイナスで、4四半期ぶりにマイナスに転じた。5月以降直近9月にかけて香港からの訪日外国人数が激減。「日本で地震が発生する」という情報がSNSで拡散されたり、中国政府が日本への渡航自粛を呼び掛けたりしたことが要因と見られ、今後の経済に大きく影響すると考えられる。GDPの押し下げ要因となる輸入は3四半期ぶりの減少で0.1%マイナスだった。原油・天然ガスの落ち込みが影響したと考えられる。実質GDPへの外需の寄与度は0.2%マイナスとなった。
 GDPの実額は、年換算実質が561兆7653億円、同じく名目が635兆8225億円で、国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比で2.8%(4~6月期は2.9%)だった。
 今回発表されたGDP速報値について、城内実経済財政相は「景気が緩やかに回復しているとの認識に変化はない」との談話を残している。

<銅事情>

 11月の銅価格は、月間上昇幅は100ドル程度であったが、月末に3Mで11,200ドル/トンを超え、史上最高値を更新した。米中の軟調な経済指標および、FRB内で金融政策に対する意見が分裂し、年内の追加利下げの可能性に疑問符が付いたことで、月初2日間で300ドル下落したが、中国の10月度CPI、PPIが、共に市場で好感されたことや、米政府機関の閉鎖終了が見込まれることへの楽観などから、13日までに値を戻した。その後は、ドル高や米利下げに対する懸念などで弱含んだが、在庫が集中する米国以外で需給がタイト化したこと、米利下げ期待などで24日以降は上昇に転じた。月末には、チリからの原料供給減、中国製錬の供給減見込みによる需給逼迫懸念やドル安により、3Mが史上最高値を記録した。11月末のLME銅価格は11,004ドル、11月平均のLME銅価格は10,801ドルとなった。
 11月のLME銅在庫量は、前半は前月末同様の13万トン台で推移したが、第3週に2万トン弱増加し15万トン台となり、16万トン目前まで増加した。11月末のLME銅在庫量は159,425トンで、前月末対比プラス19.3%となった。
 11月の国内銅建値は、10月末からマイナス1万円の172万円/トンでスタートし、6日にマイナス2万円の170万円/トン、11日にプラス3万円の173万円/トン、18日にマイナス1万円の172万円/トン、20日にプラス2万円の174万円/トンとなり、11月平均の銅建値は、172.6万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2025年 6月:146.3万円/t 7月:148.8万円/t 8月:148.1万円/t 9月:152.6万円/t 10月:166.8万円/t 11月:172.6万円/t
 2025年12月の国内銅建値は、11月末からプラス6万円の、180万円/トンでスタート



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