市況動向

銅事情 4月号

2026年04月07日 資材委員会提供

<3月の国内事情>

 日銀が4月1日に公表した2026年3月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、米国とイスラエルのイラン攻撃による中東情勢の悪化に伴う企業への影響を確認する初の調査となった。
 大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は4四半期連続で改善しプラス17。前回2025年12月調査からは1ポイントの小幅の改善。大企業・非製造業は横ばいのプラス36だった。一方で先行き3ヶ月の景況感は、中東情勢の悪化に伴いエネルギー価格が高騰、事業環境の不透明感に加え、コスト増や消費の鈍化を懸念材料とし、製造業、非製造業ともに全規模で悪化という結果だった。企業の回答期間は2月26日~3月31日で、対象企業の99%が回答した。データセンターや半導体といったAI関連需要が堅調に推移したことが、大企業・製造業の幅広い業種での景況感改善に繋がり、円安も収益改善の追い風となった。業種別には生産用機械が10ポイント改善のプラス26、非鉄金属が10ポイント改善のプラス23、自動車が4ポイント改善のプラス13となった一方で、エネルギー価格の上昇で、石油・石炭製品が18ポイント悪化のプラス18、化学が5ポイント悪化のプラス14となった。大企業・非製造業では、人件費の価格転嫁が進み、宿泊・飲食サービスが18ポイント改善のプラス26、小売が5ポイント改善のプラス26となったが、原油高が収益に響く運輸・郵便は8ポイント悪化のプラス23、電気・ガスも6ポイント悪化のプラス6だった。尚、日銀は調査対象企業を3月の短観から見直している。
 足元の価格の動きを示す販売価格判断DIは大企業・製造業が前回比プラス2のプラス28(先行きプラス33)、非製造業が前回比プラス1のプラス32(先行きプラス40)、一方の仕入価格判断DIは大企業・製造業で前回比プラス6のプラス46(先行きプラス52)、非製造業で前回比プラス4のプラス46(先行きプラス53)で、価格転嫁の動きの弱さが表れている。企業の物価見通しの物価全般の見通しでは、全規模・全産業で1年後2.6%(変化幅+0.2%)、3年後2.5%(変化幅0.1%)、5年後2.5%(変化幅0.1%)だった。
 企業の事業計画の前提となる2026年度の想定為替レート(全規模・全産業)は、1ドル=150.10円。25年度が148.29円で、円安方向に修正。輸出企業の収益改善につながる可能性がある。
 雇用人員判断DIは全規模・全産業がマイナス38で前回から横ばいで、引き続き人手不足という見方が続いている。

<銅事情>

 3月の銅価格は、月間で1280ドルの下落。前月末の13,440ドルから、月間通して下落方向の値動きとなった。2月末の米国・イスラエルによる対イラン攻撃とそれに対するイランの報復攻撃を受け、市場ではリスク回避のドル買いが進行。ドル高が割高感を誘い銅含む非鉄金属は軟調な展開となった。19日にはイランを巡る情勢の長期化予測に伴い経済成長の鈍化懸念から11,800ドル台まで下落した。その後米国の軍事攻撃の延期発言を受け一時値を戻すも、高い在庫水準が重石となり軟調なまま月末を迎えた。3月末のLME銅価格は12,160ドル、3月平均のLME銅価格は12,499ドルとなった。
 3月のLME銅在庫量は、前月末の25万トン台から右肩上がりで、月間10万トン以上の大幅増となった。3月末のLME銅在庫量は362,600トンで、前月末対比プラス40.7%となった。COMEXとLME 間の裁定取引解消で、米国に積み上がった在庫がLMEに流入した他、需要が低迷する中国での余剰在庫が、LMEに搬入されるという構図が続いている。
 3月の国内銅建値は、2月末からプラス3万円の217万円/トンでスタートし、4日にマイナス4万円の213万円/トン、9日にマイナス1万円の212万円/トン、11日にプラス3万円の215万円/トン、16日にマイナス4万円の211万円/トン、19日にマイナス6万円の205万円/トン、23日にマイナス9万円の196万円/トン、24日にプラス5万円の201万円/トン、26日にプラス3万円の204万円/トンとなり、3月平均の銅建値は、209.0万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2025年 10月:166.8万円/t 11月:172.6万円/t 12月:186.6万円/t2026年 1月:213.0万円/t 2月:209.8万円/t 3月:209.0万円/t。
 2026年4月の国内銅建値は、3月末と同様の、204万円/トンでスタート



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