市況動向

銅事情 6月号

2026年06月08日 資材委員会提供

<5月の国内事情>

 内閣府が5月19日に公表した2026年1~3月期の国内総生産(GDP)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比で0.5%のプラスで、2四半期連続でのプラス成長となった。これを年率換算すると2.1%のプラスとなる。中東情勢の緊迫化の影響が1月~3月期のGDPの数字にはそれほど表れなかったと見える。
 GDPの過半を占め、内需の柱である個人消費は前期比0.3%プラスで5四半期連続でのプラス。外食や衣服、タバコなどがプラスに寄与した。企業の設備投資も0.3%のプラスで2四半期連続でのプラス。研究開発や汎用機械などへの投資が伸びた。その他、住宅投資は0.5%プラス、公共投資は1.4%プラスだった。内需の実質GDPへの寄与度はプラス0.2%。
 一方の外需は輸出が1.7%のプラス。米国の一連の関税政策の影響が大きく出た7~9月期のマイナス1.4%から戻してきており、続いていた自動車の輸出減が回復してきたことが押し上げ要因となっているほか、船舶や業務用機械も増加した。輸入も0.5%のプラスで4~6月期以来3四半期ぶりにプラス。輸出の増加が輸入の増加を上回り、成長率を押し上げた。外需の実質GDPへの寄与度はプラス0.3%。
 また、物価上昇分を含んだ名目GDPは0.8%のプラス(年率3.4%プラス)で8四半期連続でのプラス成長。物価上昇圧力は依然強く、コスト増加分の価格転嫁が進む中で、GDPデフレーターは前年比プラス3.4%と高い伸びが続いている。中東情勢の緊迫化の影響は現時点では限定的で、国内景気は緩やかな回復基調を維持していることが確認された。もっとも先行きについては不確実性の高い状態が続くと思われる。

<銅事情>

 5月の銅価格は、月間で720ドルの上昇。月初の12,895ドルから、上昇方向の値動きとなり中旬には米国・イランの戦争終結に向けた交渉進展への期待や、グラスベルグ鉱山のフル操業再開の延期などの材料から14,000ドルを超える場面が見られた。中旬以降はザンビアのモニバ鉱山・チャンビシ銅精錬所にコンゴ向け硫酸輸出が許可され、硫酸の供給の難が終了する見通しが立った。これにより銅の上昇相場が終了したとみられる。下旬には中国の主要経済指標が市場予想を下回り、これを受けて投機筋による利確売りが進み、銅価格の上値を抑える要因となったと考えられる。5月末のLME銅価格は13,615.0ドルとなった。
 5月のLME銅在庫量は、前月末の390,000トン台後半から中旬まで積み上がり、その後調整が入り最終的に前月末比で10,300トンの減となった。5月末のLME銅在庫量は389,425トンで、前月末対比マイナス2.6%となった。米国・イランの情勢が引き続き不透明であったが在庫に関しては月中で大幅な動きはなかった。
 5月の国内銅建値は、4月末同様の223万円/トンでスタートし、7日にマイナス5万円の218万円/トン、11日にプラス3万円の221万円/トン、12日にプラス6万円の227万円/トン、14日にプラス4万円の231万円/トン、18日にマイナス7万円の224万円/トン、20日にマイナス2万円の222万円/トン、22日にプラス3万円の225万円/トンとなり、5月平均の銅建値は、224万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2025年 12月:186.6万円/t 2026年 1月:213.0万円/t 2月:209.8万円/t 3月:209.0万円/t 4月:214.2万円/t 5月:224.4万円/t
 2026年6月の国内銅建値は、5月末よりプラス1万円の226万円/トンでスタート。



過去の銅事情