市況動向

銅事情 1月号

2026年01月13日 資材委員会提供

<12月の国内事情>

 日銀が12月15日に発表した2025年12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス15で、前回2025年9月調査のプラス14から小幅に改善した。これは3期連続での1ポイント毎の小幅改善だが、前回比の状況は業種別では色合いが異なる。交易条件の改善などを背景に「石油・石炭製品」が前回比プラス33のプラス33、同じく「木材・木製品」が前回比プラス8の0、「紙・パルプ」が前回比プラス8のプラス34、堅調なAI関連需要を背景に「化学」が前回比プラス7のプラス22、コスト増を販売価格に転嫁する動きが進展し、「金属製品」が前回比プラス8のプラス8、「食料品」も同様に前回比プラス3のプラス9と改善した。その一方で、「非鉄金属」は前回比マイナス12のプラス4、「窯業・土石製品」は前回比マイナス10のプラス20、「業務用機械」は前回比マイナス9のプラス13となっており業況判断が悪化している。先行きはプラス15の横ばいで、業種別の内容としては素材業種が横ばい、加工業種が2ポイントの悪化となっている。
 大企業・非製造業の業況判断指数(DI)はプラス34で、前回2025年9月調査から引続き横ばいだった。高水準を依然維持し続けているが、「物品賃貸」や「情報サービス」、「電気・ガス」などが悪化している。前回19ポイントの大幅悪化となっていた「宿泊・飲食サービス」はプラス25で今回も1ポイントの小幅の悪化となっている。先行きは6ポイント悪化のプラス28で、全業種で悪化していた。日中関係悪化の影響を受け訪日客数が減少、空輸を中心とした収益環境悪化の警戒感などが影響したと見られている。
 足元の価格の動きを示す販売価格判断DIは大企業・製造業が前回比プラス1のプラス25(先行きプラス26)、非製造業が前回比プラス3のプラス31(先行きプラス32)、一方の仕入価格判断DIは大企業・製造業で前回比プラス2のプラス40(先行きプラス43)、非製造業で前回比プラス3のプラス44(先行きプラス46)となっており、全体的には価格転嫁の動きの弱さが表れている。企業の物価見通しの物価全般の見通しでは、全規模・全産業では1年後、3年後、5年後のいずれもプラス2.4%だった。この結果は前回調査と変わっていない。
 企業の事業計画の前提となる想定為替レート(全規模・全産業)は、2025年度通期1ドル=147.06円で、9月調査の145.68円から13.8円の円安方向だった。
 2025年度の全規模・全産業の設備投資計画(含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まず)は、前年度比+8.9%だった。中小企業・非製造業を中心に上方修正されており、概ね堅調な結果と見られている。一方で下方修正は製造業の中堅と中小企業、及び非製造業の大企業だった。
 雇用人員判断DIは全規模・全産業がマイナス38で前回から2ポイント悪化した。先行きでは、前回に引続き、すべての規模で製造業、非製造業ともに悪化となっており、深刻な人手不足という見方が続いている。
 今回の調査は11月11日から12月12日までの間で実施された。植田総裁は12月1日の講演で、「利上げの是非について適切に判断したい」と述べ、それ以降利上げの観測が急速に高まっていた。その後、12月18,19日に実施された金融政策決定会合で、政策金利の無担保コールレート(オーバーナイト物)の金利誘導目標を0.25%引き上げ、30年ぶりの高水準である0.75%程度で推移するよう促すことを委員の全員一致で決めている。

<銅事情>

 12月の銅価格は、史上最高値更新を繰り返しながら右肩上がりとなり、月間で1,500ドルの大幅上昇となった。第1週は、米利下げ観測によるドル安や、米国関税発動リスクに備え、在庫を先行して米国へ移送させていることによる需給逼迫懸念などにより、約640ドル上昇し、11,600ドル台に、第2週は、米利下げや、高い経済成長を維持するため、中国で積極的な財政政策の継続方針が示されたことなどで、約170ドル上昇し、11,800ドル台となった。第3週は大きな変動は無かったものの、買鉱条件悪化に伴う製錬所減産による需給逼迫観測やドル安により、投機マネーが流入すると、第4週以降、約660ドル上昇した。12月末のLME銅価格は12,504ドル、12月平均のLME銅価格は11,804ドルとなった。
 12月のLME銅在庫量は、前月末の16万トン弱から、中旬までに7,000トン超増加したが、中旬以降2万トン超減少し、14万トン台に減少した。12月末のLME銅在庫量は145,325トンで、前月末対比マイナス8.8%となった。
 12月の国内銅建値は、11月末からプラス6万円の180万円/トンでスタートし、4日にプラス4万円の184万円/トン、9日にプラス4万円の188万円/トン、11日にマイナス3万円の185万円/トン、12日にプラス5万円の190万円/トン、16日にマイナス4万円の186万円/トン、19日にプラス2万円の188万円/トン、23日にプラス4万円の192万円/トンとなり、12月平均の銅建値は、186.6万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2025年 7月:148.8万円/t 8月:148.1万円/t 9月:152.6万円/t 10月:166.8万円/t 11月:172.6万円/t 12月:186.6万円/t
 2026年1月の国内銅建値は、12月末からプラス13万円の、205万円/トンでスタート。



過去の銅事情