市況動向

銅事情 7月号

2026年07月15日 資材委員会提供

<6月の国内事情>

 日銀が7月1日に公表した2026年6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は5四半期連続で改善しプラス22。これは2018年3月以来の高水準の数値で、前回の3月調査からは5ポイントの改善だった。半導体やデータセンターといった人工知能(AI)関連の堅調な需要を支えに、中東情勢の影響による原材料などの調達難を見越した企業の前倒し需要も景況感の押上げにつながっている。業種別では全16業種のうち10業種が改善、1業種が横ばいという形。非鉄金属や生産用機械、業務用機械、電気機械、繊維など幅広い業種が改善した一方で、悪化の業種は窯業・土石製品や石油・石炭製品、金属製品、自動車、紙・パルプの5業種で、エネルギー上昇が重荷になる企業が中心。大企業・非製造業は3月調査から1ポイント改善のプラス37だった。人件費などの販売価格に転嫁する動きや、インバウンド需要の増加もあって、宿泊・飲食サービス、小売りでの改善幅が大きかったが、建設、不動産、電気・ガスの3業種は悪化していた。先行き3ヶ月の景況感は、大企業・製造業が5ポイント、大企業・非製造業が9ポイントの悪化を見込んでおり、慎重な見方になっている。原油やナフサの供給混乱などによるコストの上昇は続くとみられ、価格転嫁が進まなければ企業収益が圧迫され、進めば消費を下押しするという恐れもある。今回の調査の回収基準日は6月11日で、調査対象の約9000社の内、7割が回答を終えていたため、米国とイランの戦闘終結の合意や中東情勢の緊張緩和の影響が十分反映されていない可能性は指摘されている。
 足元の価格の動きを示す販売価格判断DIは大企業・製造業が前回比プラス12のプラス40(先行きプラス43)、非製造業が前回比プラス8のプラス40(先行きプラス41)、一方の仕入価格判断DIは大企業・製造業で前回比プラス16のプラス62(先行きプラス59)、非製造業で前回比プラス10のプラス56(先行きプラス56)で、仕入価格の上昇が価格転嫁されている動きが表れている。企業の物価見通しの物価全般の見通しでは、全規模・全産業で1年後2.7%(変化幅+0.1%)、3年後2.6%(変化幅0.1%)、5年後2.6%(変化幅0.1%)だった。
 企業の事業計画の前提となる2026年度の想定為替レート(全規模・全産業)は、1ドル=152.57円。前回3月調査の150円10銭から円安方向へ修正。輸出企業の収益改善につながっていく可能性がある。
 雇用人員判断DIは全規模・全産業がマイナス37で前回から1ポイント上昇はしたものの、引き続き人手不足という見方が続いている。

<銅事情>

 6月の銅価格は、月初13,800ドル台からスタートし、翌日に14,000ドル近辺まで上昇する展開となったものの、月後半にかけては13,000ドル台前半まで下落し、全体としては調整する値動きとなった。月前半は、米国・イラン情勢の緊張と緩和を巡る報道や為替動向が支援材料となり、需給ひっ迫観測や在庫減少も相まって堅調に推移した。一方で中旬以降は、FRBのタカ派姿勢を背景としたドル高進行や金利上昇懸念が重しとなり、加えてハイテク株調整などリスクオフの流れもあり下落基調へ転じた。月末にかけては、中国PMIの持ち直しや株式市場の堅調さが支援材料となり下げ止まり、6月末のLME銅価格は13,341ドルとなった。
 6月のLME銅在庫量は、前月末の380,000トン台後半から月を通して減少し最終的に前月末比で60,200トンの大幅減となった。6月末のLME銅在庫量は329,225トンで、前月末対比マイナス14.5%となった。トランプ米大統領は1日、通商拡大法232条に基づく一部の銅、アルミニウム、鉄鋼に対する関税を修正する大統領布告に署名したことを受けLMEからCOMEXへ在庫を移動させた影響が考えられる。
 6月の国内銅建値は、5月末プラス1万円の226万円/トンでスタートし、3日にプラス7万円の233万円/トン、8日にマイナス7万円の226万円/トン、11日にマイナス1万円の225万円/トン、16日にプラス4万円の229万円/トン、22日にマイナス1万円の228万円/トン、24日にマイナス4万円の224万円/トンとなり、6月平均の銅建値は、227万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2026年 1月:213.0万円/t 2月:209.8万円/t 3月:209.0万円/t 4月:214.2万円/t 5月:224.4万円/t 6月:227.4万円/t
 2026年7月の国内銅建値は、6月末よりプラス3万円の227万円/トンでスタート。



過去の銅事情