市況動向

銅事情 9月号

2026年09月07日 資材委員会提供

<8月の国内事情>

 内閣府が8月17日に公表した2026年4~6月期の国内総生産(GDP)1次速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比で0.3%の増となり、3四半期連続でのプラス成長だった。これを年率換算すると1.1%の増とはなるが、この内容は事前の市場予想を下回っている。
 GDPの過半を占め、内需の柱である個人消費は、前期比0.02%の減となり、8四半期ぶりにわずかではあるがマイナスとなった。値上げが実施されたタバコが減少、高校での授業料無償化が広がったことなどが影響し、教育費が減少したほか、電気代、宿泊や飲食も振るわず、これらが押し下げ方向に影響した一方で、自動車税の「環境性能割」の廃止による自動車販売の伸びや、来年4月からの省エネ基準引き上げを見越したエアコンの駆け込み需要などはプラス側に寄与した。もう一つの内需の柱となる企業の設備投資も1.2%の減で、2四半期連続のマイナスだった。フラットパネルディスプレー製造装置などの生産用機械はプラスだったが、期間中に製薬会社が特許権を海外へ譲渡したことに伴い、研究開発サービスの国内への投資が減少する特殊要因が発生した。そのほか、住宅投資は3四半期ぶりのマイナスで0.5%の減、公共投資は2四半期ぶりのマイナスで0.1%の減だった。政府消費は1.6%の増で5四半期連続のプラスだった。診療報酬の改定による医療費や、高校無償化や小学校の給食費の無償化などにより支出が増えている。内需の実質GDPへの寄与度はマイナス0.2%で3四半期ぶりのマイナスだった。
 一方の外需は輸出が0.5%の増で3四半期連続でのプラスとなった。内需の方でマイナスに寄与した製薬会社の特許権譲渡などで研究開発サービスは増えたが、GDP上は輸出に区分するインバウンド消費が9.7%減となっている。輸入は1.5%の減で2四半期ぶりのマイナスだった。ホルムズ海峡の事実上の封鎖による原油輸入の一時的な急減が響いた。輸入のマイナスはGDPを押し上げる要因となり、外需の実質GDPへの寄与度はプラス0.5%で3四半期連続でのプラスだった。
 また、家計の実感に近い物価上昇分を含んだ名目GDPは1.2%の増(年率4.8%の増)で9四半期連続でのプラス。GDPデフレーターは1~3月期の3.2%上昇から上げ幅を縮小しながらも、4~6月期も2.6%の上昇となり引き続き伸長している。
 城内実経済財政相は「景気は基調として緩やかな回復が続いている」とし、今後については、中東情勢の影響を引続き注視する必要性に言及しつつも、雇用・所得環境の改善や、各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるとした。

<銅事情>

 8月の銅価格は、月初の13,945ドルからスタートし、中東情勢の緩和期待による原油安や堅調な米国株式市場、LME在庫の継続的な減少を背景として上昇基調で推移した。中旬には米国向けへの銅流入による現物需給の逼迫が意識され、Cash-3Mのバックワーデーション拡大やLME在庫減少が相場を押し上げ、一時14,850ドルまで上昇した。また、チリ鉱山の悪天候による減産見通しやコンゴ民主共和国(DRC)の銅精鉱輸出規制なども供給懸念材料として意識された。一方で、中国製造業の減速懸念や高値警戒感による利益確定売りが上値を抑える場面も見られた。月後半は、LME倉庫への在庫搬入により需給逼迫懸念が一時後退したものの、中国需要に対する期待やドル安進行を背景に相場は持ち直した。その後も在庫減少やキャンセルワラント増加による供給引き締まり観測を背景に底堅く推移し、8月末のLME銅価格は14,535ドルとなった。
 8月のLME銅在庫量は、前月末の249,850トンから先月に引き続き減少し最終的に前月末比で15,575トンの減となった。8月末のLME銅在庫量は234,275トンで、前月末対比マイナス6.2%となった。
 8月の国内銅建値は、7月末マイナス8万円の228万円/トンでスタートし、5日にプラス5万円の233万円/トン、12日にプラス5万円の238万円/トン、17日にプラス4万円の242万円/トン、19日にマイナス6万円の236万円/トン、21日マイナス2万円の234万円/トン、25日にプラス4万円の238万円/トンとなり、8月平均の銅建値は、236万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2026年 3月:209.0万円/t 4月:214.2万円/t 5月:224.4万円/t 6月:227.4万円/t 7月:229.7万円/t 8月:235.9万円/t
 2026年9月の国内銅建値は、8月末よりプラス2万円の240万円/トンでスタート。



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