銅事情 1月号
2020年01月14日 資材委員会提供
<12月の国内事情>
日銀が発表した12月短観の大企業製造業の業況判断DIは0%ptとなり、前回調査(9月)から5pt悪化して4四半期連続での悪化となった。業種別にみると、米中貿易摩擦の影響で輸出が低迷している自動車や鉄鋼、業務用機械に加えて、東京五輪の建設需要が一巡した窯業・土石製品などが前回調査から大幅に悪化した。大企業非製造業も個人消費の落ち込みなどで前回調査から1pt悪化の20%ptと2四半期連続での悪化となったが、軽減税率導入やキャッシュレス決済によるポイント還元などの消費増税対策もあり、前回増税時よりも小幅の悪化に留まった。3か月後の先行きについては、大企業製造業が0%ptと足元から横這い、大企業非製造業が18%ptで足元から2pt悪化となっており、半導体やスマートフォンなどIT関連の需要回復が見込まれる一方、消費増税による個人消費への影響が懸念されている。
設備投資計画は全規模全産業ベースで2018年度比3.3%増となり、前回調査から0.8pt上方修正された。日銀は米中貿易戦争による先行き不透明感、消費増税による個人消費の冷え込みなどで景況感は悪化してきているものの、企業は長い目でみた投資を継続しているとしている。
雇用人員判断DIは全規模全産業でマイナス31%ptと前回調査から1pt改善されたが、先行きについてはマイナス33%ptとなっており、労働需給の逼迫感が緩和されていないことからも、企業の省力化、合理化、自動化などの設備投資は継続していくものと思われる。
<銅事情>
12月のLME銅相場は米中貿易協議の進展、堅調な米雇用統計などから中国投資家の買いが相場を押し上げ、5か月ぶりに6,000ドルを突破した。その後も米景気の減速予想にも関わらず、米中合意が好感され、一気に6,200ドル台まで突入し、12月末のLME銅相場は6,184ドルで2019年を終えた。12月平均のLME銅相場は6,070ドルで、11月平均のLME銅相場5,858ドルから3.6%上昇した。12月のLME銅在庫量は11月末の21万トンから減少し続け、12月末のLME銅在庫量は14万トン台となり、2019年3月以来の低水準となった。
12月の国内銅建値は、2日に据え置きの69万円/トンでスタートし、5日にマイナス1万円の68万円/トン、10日にプラス2万円の70万円/トン、13日にプラス1万円の71万円/トン、18日にプラス1万円の72万円/トンとなり、12月平均の銅建値は70.5万円/トンだった。
直近6か月の平均銅建値は、(2019年7月:68.8万円/t 8月:65.3万円/t 9月:65.8万円/t 10月:66.3万円/t 11月:68.1万円/t 12月:70.5万円/t)となり、2020年1月の国内銅建値はマイナス2万円の70万円/トンでスタートした。