銅事情 4月号
2019年4月15日 資材委員会提供
<3月の国内事情>
日銀が発表した3月短観の大企業製造業の業況判断DIは、12月調査の19ptから12ptと7pt低下しており、低下幅は6年3カ月ぶりの大きさとなった。中国向けを中心とした輸出の大幅な減少と原油価格の再上昇を背景に、はん用機械、非鉄金属、石油・石炭製品、紙・パルプ、化学、電気機械、金属製品などの業種は低下幅が非常に大きくなっている。また、大企業非製造業の業況判断DIも21ptと12月調査から3pt低下となったが、建設、不動産については4pt上昇しており、依然として好況を維持している。先行きについては、大企業製造業で8pt(4pt減)、大企業非製造業で20pt(1pt減)と幅広い業種で景気後退の懸念が拡がっており、米中貿易摩擦、英国のEU離脱、原油高騰、消費増税などの不透明要因を反映した結果となっている。一方、2018年度の設備投資計画は全規模ベースで製造業は11.1%増、非製造業は10.0%増となり、全産業では前年度比10.4%増の高水準となっている。2019年度の製造業については2.0%増と底固いが、非製造業は5.6%減と縮小されることで、全産業では前年度比2.8%減となっている。
全規模の雇用人員判断DIは、依然として大幅なマイナス圏で推移しており、人手不足は解消されていない状況が続いているが、今回調査で製造業は2pt改善、非製造業は横這い、全規模全産業でも横這いとなっており、雇用環境は一時的に逼迫感が停止した結果となった。
<銅事情>
3月のLME銅相場は、銅在庫逼迫への警戒感と中国の大規模減税策から6,600ドルを伺う展開となった。一旦は利益確定売りも入り、6,500ドル前後での攻防が続いた中、1-2月の中国鉱工業生産の伸び率鈍化のニュースが流れると、銅相場は100ドル超下落した。その後は、ペルー・ラスバンバス銅山の供給障害、チリ・シエラゴルダ銅山のスト報道などが相場を支援したが、米中貿易協議の合意が遠いことから世界経済の減速懸念が再浮上し、銅相場の上値を抑制した。月末には再度、ペルー・ラスバンバス銅山の供給懸念に加え、米中貿易協議の進展への期待感から銅相場は100ドル超上昇し、3月末のLME銅相場は6,485ドルとなり、3月平均のLME銅相場は6,455ドルだった。LME銅在庫量は2月末の13万1,000トンから一旦は11万トンを割る水準まで減少したが、中旬に2日間で7万トン超増加したことで、18万トン台まで回復した。その後は連日減少して、3月末の銅在庫量は16万9,000トンとなった。
3月の国内銅建値は据え置きの77万円/トンでスタートし、11日にマイナス1万円の76万円/トン、26日にマイナス2万円の74万円/トンとなり、3月の平均建値は75.9万円/トンだった。
直近6か月の平均建値は、(2018年10月:74.4万円/t 11月:74.4万円/t 12月:72.7万円/t 1月:69.2万円/t 2月:73.4万円/t 3月:75.9万円/t)となり、2019年4月の国内銅建値はプラス2万円の76万円/トンでスタートした。