市況動向

銅事情 8月号

2022年08月 資材委員会提供

<7月の国内事情>

 日銀は7月20日-21日に開催した金融政策決定会合で、「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)」を議論。22年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通し中央値は、前回4月の前年比+1.9%から目標としていた2%を上回る2.3%に引き上げた。ただ、年末にかけて上昇率を高めた後はエネルギー価格の押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくとの見通しを示す。23年度は前回+1.1%から+1.4%、24年度は前回+1.1%から+1.3%へ。金融政策運営については、2%の物価安定目標実現を目指し、安定的に持続させる為、必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。当面新型コロナの影響を注視し、企業等への資金繰り支援と金融市場安定維持に努め、必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じると表明。政策金利は長短金利の水準、又はそれを下回る水準での推移を想定した。
 22年度の実質経済成長率は前年度比+2.4%と前回4月の+2.9%から大幅に引き下げたが、新型コロナや供給制約の影響が緩和する事で経済が回復していくとの見通しは維持する一方で、新型コロナ、ウクライナ情勢の展開のもとでの資源,穀物価格動向、海外経済などリスク要因が存在する事で、不確実性は極めて高いと指摘。金融・為替市場の日本経済・物価への影響を注視する必要があると警戒感を示す。23年度は前回+1.9%から+2.0%へ、24年度は前回+1.1%から+1.3%へ。

<銅事情>

 7月の銅相場は、前月末対比400ドル超の下落となった。欧州の天然ガス危機や米国の景気減速、中国の新型コロナウイルス感染再拡大など、様々な需要への脅威が広がる中、中央銀行による引き締めが景気後退を招き、金属需要にとって打撃になるとの懸念が強まった。米国のインフレ率は約40年ぶりの高水準に達し、米大手金融機関は銅相場の短期見通しを引き下げた。米金融当局が、大幅利上げを実施するとの観測も強まるなど、下落基調が継続し、15日までに1,200ドル超下落した。しかし、中国の不動産市場安定化に向けた新たな取り組み、中国での底堅い需要の兆し、米中央銀行が利上げペースの減速を示唆するなどで、投資家がリスク資産の買い戻しに動き、18日以降は上昇基調に転じた。7月末のLME銅価格は7,801ドル、7月平均のLME銅価格は7,530ドルとなった。
 7月のLME銅在庫量は、前月末対比3.5%の増加。1日、前月末から1万トン増の13万トン台となった後は、減少傾向で、13日に13万トンを割り込んだ。しかし、18日には6千トン増加し、その後は少しずつ減少しながらも、月末まで13万トン台を維持した。7月末のLME銅在庫量は、131,275トンとなった。7月の国内銅建値は、6月末からマイナス1万円の117万円/トンでスタートし、5日にマイナス4万円の113万円/トン、7日にマイナス5万円の108万円/トン、11日にプラス2万円の110万円/トン、19日にマイナス3万円の107万円/トン、22日にマイナス2万円の105万円/トン、27日にプラス3万円の108万円/トンとなり、7月平均の銅建値は、108.6万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2022年 2月:119.1万円/t 3月:126.4万円/t 4月:133.7万円/t 5月:125.1万円/t 6月:127.0万円/t 7月:108.6万円/t。
 2022年8月の国内銅建値は、7月末から3万円上げの111万円/トンでスタート。


過去の銅事情