市況動向

銅事情 9月号

2021年09月10日 資材委員会提供

<8月の国内事情>

 内閣府が発表した2021年4~6月期の国内総生産(GDP)2次速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増となった。なお、GDPプラスとなるのは2四半期ぶりとなる。
 コロナ禍の影響もあり企業が手控えてきた設備投資が製造業を中心に持ち直しプラスに転じたことなどが寄与したが、新型コロナウイルスの感染拡大で成長率全体は低めの結果となった。
 GDPの半分以上を占める個人消費は、8月に実施された全国消費者物価指数(CPI)の基準改定もプラスに働き、前期比0.9%増と2四半期ぶりに増加したものの東京都や大阪府などでは感染拡大による緊急事態宣言が発令されていたこともあり、回復の勢いは鈍かった。
 一方設備投資は、2.3%増となり、プラスは2四半期ぶりでありこれまで先送りしてきた設備投資再開が背景にあり、世界的に品不足が続く半導体の製造装置などの生産用機械やデジタル化対応への投資が中心。
 足元ではワクチン接種の進展により経済活動の再開が期待されているものの、インド型(デルタ型)などの変異株による感染急拡大により7~9月期の景気回復は、いまだ厳しい停滞リスクとしてくすぶっている。

<銅事情>

 8月の銅相場は、弱含みで推移。初日は7月末同様、9,700ドル台であったが、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大が、各国経済成長を阻害する恐れが強まると、特に最大消費国である中国需要への懸念から弱含み、9日には9,300ドル台まで下落した。米国のインフラ投資期待等で、12日には9,500ドル台に値を戻したものの、中国需要や金融引き締めへの懸念から徐々に値を下げ、19日には8,700ドル台となった。その後は、LME指定倉庫からの在庫引き出し注文の大幅増加や、米ジャクソンホール会議で利上げは当分先であると確認された事で値を戻し、8月末のLME銅相場は9,463ドル、8月平均のLME銅相場は9,357ドルとなった。
 8月のLME銅在庫量は、7月末同様の23万トン台で始まり、17日に24万トン台、20日に25万トン台と微増。その後は大きな変動無く、8月末のLME銅在庫量は、252,725トンとなった。
 8月の国内銅建値は、7月末と変わらずの111万円/トンでスタートし、4日にマイナス2万円の109万円/トン、10日にマイナス1万円の108万円/トン、13日にプラス1万円の109万円/トン、18日にマイナス3万円の106万円/トン、20日にマイナス3万円の103万円/トン、24日にプラス3万円の106万円/トン、27日にプラス1万円の107万円/トンとなり、8月平均の銅建値は、107.5万円/トンだった。
 直近6か月の平均銅建値は、2021年 3月:102.2万円/t 4月:104.5万円/t 5月:115.7万円/t 6月:111.1万円/t 7月:108.8万円/t 8月:107.5万円/t。
 2021年9月の国内銅建値は、8月末から3万円上げの110万円/トンでスタート。


過去の銅事情